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防災イベント体験レポート

「安心・安全GISサミット」

名称
「安心・安全GISサミット」
主催
国土交通省国土計画局(総務課国土情報整備室)
日時
2006年10月11日(水曜日)13:30〜18:00
場所
世界貿易センタービル3階
内容
国土交通省では、市民の間におけるGIS(地理情報システム)の利用定着を図るため、平成15年度から平成17年度まで「GIS利用定着化事業」を実施しました。本事業は、安心・安全、自然・環境、地域コミュニティ、教育という4分野における実証実験プロジェクトより構成されています。今回は、安心・安全分野における実証実験の成果発表を中心に先進事例の紹介、有識者による基調講演とパネルディスカッションという内容での開催となりました。

体験レポート

国土地理院の解説によると、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)とは、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術のことだそうです。
それでは、基調講演として、京都大学防災研究所巨大災害研究センター長教授である林春男さんのお話からスタートです!

〜これまでもGIS(地理情報システム)は、安心・安全分野でも様々な利用がなされてきました。しかし、それは主に「専門家」が利用するシステムでした。
「GIS利用定着化事業」では、WebGISを利用して、市民や個人らが参加する形の新たなGIS利用のしくみが提案されました。本講演では、今回の事業の成果と今後の活用のしくみについて考えてみましょう〜

人と防災未来センター

続いて、GIS利用定着化事業報告『阪神・淡路大震災私たちの復興プロジェクト』として、「人と防災未来センター」の瀬渡さんから。
阪神・淡路大震災を契機に設立された当センターでは、GIS技術を利用して、被災と復興の体験を収集・記録し、次世代へ語り継ぐことを実行してきました。その際、多くの市民に本プロジェクトの認知と主体的な参加を促してきました。これら、市民を巻き込んだGIS活用の内容をお話されました。

M-GIS

さらに、先進事例報告として5つの事例が報告されました。
1つめは、『簡易型地理情報システムM-GISを用いた地域防災活動の支援』として、三重大学工学部助教授の高田さんから。簡易型地理情報システムM-GISは、三重県が独自に開発した独自のGISです。GISが地域の防災活動の支援や住民の意識向上にも貢献できるという事例の発表でした。

2つめは、『ユニバーサルデザイン地図を用いた地域WebGIS防災マップの作成』として、特定非営利活動法人シンフォニーの山崎さんから。
地域コミュニティによる防災情報収集の結果を地図上にマッピングしていくことで、収集した情報を実際に活用できるものにするまでを具体的な例をあげてのお話でした。

越前市「地域安心安全情報共有システム」実証実験サイト(総務省提供)

3つめは、『みんなでつくる武生の「安心・安全マップづくり」プロジェクト』として、福井県立大学経済学部教授の工藤さんから。
越前市(旧武生市)を事例として、市民参加型GISによる安心・安全マップの作成に取組んだ内容をお話されました。

eタウン・うじ(現在、運用されているGIS活用サイト)

4つめは、『うじ安心・安全マップ』として、宇治市総務部の今荘さんから。
試験運用した「うじ安全・安心マップ」の経験から、行政の安心・安全分野でのGIS活用を推進する上での課題として、「組織を超えた人と事務の流れの統合」、「そこに生まれる、人集団の育成」が挙げられるというお話でした。

GIS VOLUNTEER NETWORK

最後の5つめは、『災害GISボランティアネットワーク』として、災害GISボランティアネットワーク事務局の渡辺さんから。
災害GISボランティアネットワークは、京都大学防災研究所の林春男教授の提唱により、新潟中越地震を契機に立ち上がった全国的なボランティア組織です。大規模災害発生時にWebGISを活用し、被災地外のボランティアによって被災現場のGIS情報化を遠隔地から支援するものだそうです。

その後、『安心・安全な社会を行政、市民、企業がともに作り上げるためのプラットフォームとしてのGISの有効性と可能性』というテーマでのパネルディスカッションに入りました。
地域コミュニティーが弱くなっている現在、行政も市民も様々な立場からの共通の目的達成のために、GISはとても有効で活用しやすいツールといえます。データをわかりやすい地図情報という目に見える形にすることで、誰もが理解しやすく、共通認識をもちやすいからです。

けれど、今回の事例の中でも気になったのが、「市民のみんなが参加できる!」WebGISであるにもかかわらず、アクセス数が本当にわずかだったり、参加してくれる人は限られた人だけだったりという事象です。インターネットの環境やソフトなどのハード面の充実も必要ですが、そもそもGISを活用した先にある『目的』に参加しよう!という気持ちを1人1人が持つシステムを設定する難しさを感じました。
GISの軸をどのようにするか、プライバシーなどの問題もある中で行政や事業者などはどこまでのデータを提供するのか、また、GIS書込みデータの信頼性や公平性などについても話し合われました。

まだまだ、GISの活用が試験的な段階であるのは否めませんが、今回のような事例報告会はとても意味深いものだと思います。少しずつ効果的なGIS活用の方法が見つけ出されて、活きたWebGISのページがあちこちで見られる日も近いのではないでしょうか。