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防災イベント体験レポート

公開セミナー「交通システムにおける安全マネジメント」

名称
横浜国立大学安心・安全の科学研究センター
平成19年度第1回公開セミナー「交通システムにおける安全マネジメント」
主催
横浜国立大学安心・安全の科学研究教育センター
「高度リスクマネジメント技術者育成ユニット」実行委員会
日時
2007年06月28日(木曜日)13時30分〜16時30分
場所
横浜国立大学
内容
私達の生活と切り離せない交通システムの中から、自動車と航空機を取り上げる。自動車については、設計・製作、供給する立場から、航空機については、運用する立場からの安全マネジメントを解説していただきます。

体験レポート

5月下旬、このセミナーの主催である「横浜国立大学 安心・安全の科学研究教育センター」様より、こちらのセミナーの開催を知らせるメールが届きました。ご連絡をいつもありがとうございます!

今回のセミナーは、私達の生活にとても身近な「交通システム」の安全管理がテーマです。
現代の日本では、自動車の一世帯あたりの保有台数は1.55台(国交省資料より/2006年)、また、航空機の年間利用率は人口一人あたり1.14回/人(国交省・総務省資料より/2004年)にのぼり、自動車と航空機の利用は、もはや生活の一部となっています。

しかし、どんなに便利な交通システムでも安全がなくては、私達は安心して利用することができません。
では、各交通システムのプロの現場では、どのようにして安全管理(安全マネジメント)が行われているのでしょうか?

まずはセミナー全体の説明から・・・。
このセミナーは、文部科学省科学技術振興調整費による新興分野人材養成プログラム「高度リスクマネジメント技術者育成ユニット」のワークショップIBの一環として行われています。

主な参加者は横浜国立大学の学生さんなのだそうですが、社会的啓蒙をはかる目的で、一般の人でも気軽に参加することができます。

トップバッターは、日産自動車株式会社の瀧本英明さんです。今回のお話は「自動車安全技術の向上」。

自動車事故の件数は、年々増える傾向にあります。しかし、その事故による死傷者数は年々減少しています。
さて、どうしてでしょう?

それは、自動車本体の「安全技術」が、ここ10年位のあいだで飛躍的に向上したからです。
自動車の骨格の改良や、ABSとよばれる進化したブレーキシステムなどが、これに当たります。

自動車業界での「安全への取り組み」は、これからも進化し続けます。
日産自動車では、セイフティ・シールドというコンセプトのもと、1995年からの20年間で「死亡・重傷者数を半分にする」という、具体的な目標を掲げているそうです。

今後実現される安全システムの例として、社会(道路・街)と人(ドライバー)、クルマの3つが、情報をやり取りしながら、事故の原因を未然に小さくする構想があるといいます。
具体的には、出合い頭での事故が多い交差点で、見えない位置にいる車両の存在をドライバーにお知らせしたり、実際に道路を走行中の車両が、道路の混雑状況を発信するセンサーになることで、より詳しい渋滞情報をドライバー同士が共有する等があるそうです。

続いては、全日空株式会社のグループ安全推進部の田中龍郎さんです。テーマは「航空会社の安全管理」です。

大量輸送時代となった現代では、ひとたび航空機で事故がおきると、多くの犠牲をともなう危険性をもっています。
そこで、実際の現場では、安全管理にどのように取組んでいるのでしょうか。

まずは、近年の航空機事故の現状から。私達が利用する機会の多い「西側諸国で製造されたジェット機」の全損事故の発生率は、安全技術の向上によって、年々減少の傾向にあるそうです。
しかし、民間ジェット機の全損事故の主要原因の内訳を見てみると、昔も今もあまり違いは見られず、操縦する人に関する問題が、群を抜いて一番にあげられています。
ということは、航空機事故を減らすには、操縦士のかたのミスを減らせば良いということになります。

では、操縦士のかたへの教育が不十分なのでしょうか?いいえ、そうではないようです。
「人間は、人間である以上、ミスをゼロにすることはできない」といった、人間の根源的な特性にかかる問題なのだそうです。
そのため、「鍛錬や処罰によって、人間のミスをゼロにする」ことから、「人間のミスがあっても、大きな事故にならないよう、フォローできる仕組みを整える」ことに、その取り組みの方針が変ってきたといいます。

全日空さんの安全に対する試みは、現場だけには留まらず、「会社全体の組織づくり」や「社員のかたへの教育・啓発」に至るまで、立体的かつ全体的に行われているそうです。


今回のセミナーは「交通システムにおける安全マネジメント」ということでした。
日々なにげなく自動車や航空機をはじめとする交通機関を利用してきましたが、私たちの安全のために、見えないところで様々な取組みがなされていることを改めて実感しました。私はこのセミナーの帰り道、「ありがとうございました」と自然と口から出て、横浜駅でバスを降りました。

貴重なお話をしてくださったお二人の講師のかたがた、ならびに貴重な機会を与えてくださった主催団体のご担当の方々に感謝しています。どうもありがとうございました!